第16章 縮まる距離
食後のあきらくんと暫く遊んでたけど、仕事の時間が来たので、帰る事にした。
もっと遊んでたいけど…もっと彼女を見てたいけど…
後ろ髪引かれる思いを絶ちきって、切り出した。
太:「ごめん。そろそろ仕事行くわ」
彼女があきらくんの傍に来て抱っこした。
淳子:「そっか…気をつけてね。お仕事頑張って♪」
あ:「太ちゃん、また来てね?」
淳子:「あきら、お利口さんやなぁ♪太ちゃんまた来てくれるから、待ってよな?」
あきらくんを抱き締めて、キスしてる。
太:「今日、仕事終わったら来ても良い?」
淳子:「え?今日?また、夜も来てくれるん?
疲れてるやろし、慌てやんで良いよ~♪」
淳子:「あきらも待ってられるもんなぁ?」
あ:「うん!」
ふふふと笑いながらあきらくんの頭を撫でている。
やっぱりまた、あきらくんと遊ぶために来ると思ってるんだ…
淳子さんの中のあきらくんに勝とうなんて、そりゃ、無理だな…
あきらくんが優先順位ダントツ1位だよな…
そんな事を考えてたら、
淳子:「太輔くんが大丈夫なら、来てほしいよ♪待ってるから、連絡ちょうだい?」
笑いながら、そう言って、あきらくんの髪を撫でてる。
太:「わかった。連絡するね♪」
立ち上がった俺を見上げた彼女は、寂しそうなでも柔らかい優しい笑顔で頷いた。
そのまま、あきらくんを抱いたまま玄関へ来た淳子さんは、眠そうにアクビをした。
太:「オレが行ったらまた、寝てよ♪」
アクビが可愛いかったから、笑ってそう言うと、また紅くなって照れたように笑った。