第17章 彼女!?
結局、やっぱりその日の夜には行けなかった。
映画のロケが長引いたから…
早めに連絡できたから良かったけど、あきらくんの残念がってくれてる姿が目に浮かんだ。
今撮ってる映画は、ラブストーリーで、俺にも相手役の方が居る。
キレイな方なんだけど、キツイ感じのする人で苦手なタイプだ。
何度か飲みに誘っていただいてるけど、なんとか断ってた。
早く終わった日は、淳子さんとあきらくんに会いたい。毎日そう思いながら頑張ってた。
映画の撮影もほぼ終わりに来た頃、また誘われた。スタッフも一緒だったし、映画が終われば、淳子さん達に会えると思って、誘いを受けた。それが間違いだった。
スタッフも一緒だったのに、二人でいたかのように撮られたのだ!
社長に、マネージャーと一緒に呼ばれた。
社:「ほんとになにもないんだな?まぁ、写真も合成されてるのが分かるものだから、大丈夫だろうが、少しの間プライベートは自粛しろ」
社:「淳子ちゃんにも迷惑がかかるから、行くなよ」
突然、彼女の名前が出たのでびっくりした。
太:「え?なんで淳子さん…?」
社:「お前、初めて会った時から惚れてるんだろ?」
太:「えぇっ?なんで知ってるんですか!?」
社:「オレはなんでも知ってるんだよ。お前らは息子同然だからな」
太:「あの…」
太:「じゃぁ…彼女と、結婚を前提にお付き合いしても良いでしょうか?」
マネ:「お!おい!太輔!!」
社長は目を丸くして俺を見た。
社:「覚悟はできてるのか?今、お前らは大事な時期だぞ?」
社:「…お前にはずいぶん辛抱させた。辛い思いをさせたな…よし!淳子ちゃんの件は特別だ!」
そう笑って言ってくれた社長は、またなにか企てようとしてる、子供の顔になってた。