第16章 縮まる距離
日曜の朝。
昨晩、遊び疲れて早めに寝たあきらは、案の定朝早くに起きた。
録画してある、戦隊ものを見て一人で暴れてる。
朝ごはんの前に洗濯物をほしてしまおうと、ベランダに出た。
前に夜中に太輔くんが来てくれたのを思い出した。
元気かなぁ…会いたいなぁ…
まただ…重症…病院でしたキスが頭から離れなくて、前より太輔くんが気になってる…
その気持ちを振り払うように、懐メロを口ずさみながら洗濯物を干した。
見上げた空は青くて、ハッキリきれいな飛行機雲があった。
なんとなく、清々しくて、その飛行機雲を撮った。
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やっと仕事が少し落ち着いた。
無事にツアーも終わって、また皆でスタートラインの確認ができた。
ファンの子達にはいつも勇気と元気がもらえる。
だから、今日は早起きして、仕事に行く前に淳子さんに会いに来た。
でも、連絡もせずに日曜の朝に急に行けば、誰だって怒るよな…
lineで連絡しようとスマホを取り出した時にチラッと見えた。
洗濯物を干してる彼女…
手際よく干しながら、ご機嫌なようで、鼻歌でも歌ってるのか口が動いてる。
手が止まったと思ったら、スマホを空に向けてる。
< 太輔→淳子 >
なに撮ったの?飛行機雲?良い天気だね♪
そう送って車の外に出た。
朝早いからか、まだ人影は少ない。
彼女の方に目をやると、手を振ってくれてる。
急いでマンションに入った。
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飛行機雲を撮って、部屋に入ろうとしたら、太輔くんからlineが来た。
飛行機雲って!?ベランダから下を見ると、太輔くんが前に見た帽子とマスクをして、車の外に立ってた。
嬉しくて、思わず手を振ってしまった。
太輔くんも小さく振り返して、マンションに入ってった。
ヤバイ!上がってくる!
心臓が壊れるほど、ドキドキして、手が震えた…