第16章 縮まる距離
気になり出してから、さらに1ヶ月。俺は頑張った。我慢した。
けど、もう!無理だ!
会いたい!なんで避けてるのか知りたい!
思わず机を叩いて立ち上がった俺にメンバーは一斉にこっちを見た。
北:「うぉい!なに!?どぉした!」
ツアー中の楽屋は、みんな好きな事をしてるから、手を止めてまで俺を見てるって事は無意識にそうとうデカイ音をたてたみたいだ…
横:「どした?何が無理なの?」
太:「え?」
横:「無理だ!って叫んだでしょ?」
太:「イヤ、なんもねぇ…」
横:「太輔?なんもなくないよね?」
太:「あ?ん~。あのさ、ちょっと良い感じになってた相手を避ける心理って何だと思う?」
北:「そりゃ、お前、アレじゃね?」
北山が身を乗り出して話してきた。
太:「お?おぉ、何?」
北:「好きになったか、嫌いになったかどっちか?」
横:「あぁ、その良い感じの時に確信したと!」
北:「あぁ!やっぱり私、藤ヶ谷くんが好き~!か、やっぱり私、こいつ嫌い!かだな」
ニヤニヤ笑いながら、北山と渉がコントみたいに抱き合ったり、離れたりしている。
北:「何?お前淳子さんに避けられてんの?」
北山が笑いながら、座り直してる俺の肩に肘をついてきた。
玉:「何?何?ガヤの恋の話!?」
いつの間にかみんなが俺の回りに集まってた。
太:「なんもないから!ちゃんと報告するから!もうちょっと待て!」
勝手に盛り上がりだしたメンバーを見て、ちょっと気分が落ち着いた。
好きか嫌いかがはっきりした…?
俺の事意識してくれてる?
良くも悪くも気持ちを伝えるチャンスか!?
コンサートでの歌に力が入った。