第15章 好き
太:「オレとキスして?」
太輔くんが真面目な顔になって言った。
淳子:「え?き、キス?」
太:「そ、キス。して?お願い♪」
淳子:「それが、お願い?」
太:「そ。簡単でしょ?」
ニッコリ笑って手を伸ばしてきた。
簡単じゃないよ!好きって、自覚してしまったのに!?そんな可愛く言われると拒めないんですけど!?
ふーっ。小さく深呼吸して、太輔くんのベットに手をついた。
太輔くんのキレイな顔が近づいて来て、目を瞑ると、唇に優しい柔らかい感触が伝わる…
唇を離して目を開けると、真っ直ぐに私を見てる太輔くんが居た。
恥ずかしくなって俯いたら、顎を持ち上げられて、もう一度、今度は長いキスした…
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目の前の淳子さんは少し震えてて、真っ赤な顔で俯いた。
可愛いくて、こっちを向いてもらいたくて自然と手が彼女の顔を持ち上げてた。
愛しい彼女は俺のキスを受け入れてくれた…
彼女は、ほんとに朝まで居てくれた。
キスの後、ちょっときごちなくなってしまったけど、あきらくんが起きて状況は一変した。
俺と一緒に寝ると言い出してくれて、特別室だから良かったものの、かなり賑やかに淳子さんと走り回ってた。
せっかく淳子さんが朝まで居てくれるんだから、たくさん話したいと思ってたのに、気が付いたら朝だった。
あきらくんは俺にしがみついてくれてて、淳子さんが、居ない。
あきらくんを起こさないようにベットの真ん中に移動させて、ゆっくり部屋を出ようとした時、扉に影ができた。
引き戸を開けると淳子さんが、袋を持って立ってる。
淳子:「太輔くん!おはよー♪立って大丈夫?」
淳子:「朝ごはん買って来た。ご飯かな?パンかな?そもそも食べる?食べれる?」
言いながら部屋のソファに座った。
淳子:「コンビニのオニギリなんて久しぶりやなぁ♪病院食もどんなんか気になったけどな。ふふ」
嬉しそうに、買ってきたものをテーブルに並べてる。
淳子さんの隣に座ると、彼女が一瞬緊張したのがわかった。
背中まである彼女の長い髪を触ろうとしたらあきらくんがムクッと起き上がって、笑顔で両手を広げた。