第14章 必要な時間
いよいよ、ドラマの第1話が放送されて、評判は上々の様子。
実家や親戚から連絡がやまのように来た。
みんな、あきらを誉めて喜んでくれた。
拓矢の両親からも電話があって、喜んでもらえた。
今日は拓矢の1周忌。
けど、この前の電話で、帰って来なくて良いと言われた。
今の時間を大事にしてほしい…
あきらが元気なのは届いてるから…って…
義母:「拓矢を忘れんといてほしいとは思うけど、前には進んでほしいから」
そう言って、仏壇も持たせてもらえなかった。
ベットの側の出窓に1つだけ3人で写ってる写真を置いてあるだけ。
あきらの記憶の片隅にパパが居られるように…
いつか、パパの事を聞かれた時にはたくさんの写真と動画を見せてあげよう。
パパはいつも空からあきらを見てるんだよ…
それまでは…パパが星になった事は知らなくて良いよね…
空いた窓から、ふわりと風がカーテンを揺らした。