第13章 気持ち
俺の頭はパンクしそうになってた。
まるで、恋愛ごっこだと言われた気分だ。
まだ先の人生…考えなかった事はない。けど、彼女とあきらくんと一緒に居られたら楽しいだろうなぐらいしか思ってなかった…
俺のこの気持ち…
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時計を見ると、夜の10時になろうとしている。
太輔くんから連絡はない。
あきらは待ちくたびれて寝てしまった。
仕事が長引いてるのかなぁ…ぼんやりと考えていたら、スマホに緑色のランプが光ってる。
line。太輔くんからだ!
< 太輔→淳子 >
ごめん。今日は行けそうにない。また、今度お邪魔するよ。ほんとにごめん。
なんだ、そっか…残念。あの、木村拓哉に会った話、したかったのにな…会いたかったな…
仕方ないよね…
< 淳子→太輔 >
大丈夫。おきになさらずに♪遅くまで大変やね。無理せずに頑張って!お休みなさい ☆
そう返事をして、窓の外を見た。
冬の乾燥した空に、綺麗なお月様がくっきり顔を出して、あきらの顔を照らしてくれてる。
もうすぐ、太輔くんとデートしてから1年が経とうとしてる…
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木:「あくまで、オレの意見だからな?あんまり気にすんなよ?最後に決めるのはお前だ。頑張れ!」
帰り際に、そう言って俺の背中をドンと叩いて、タクシーに乗って帰って行った。
この1年、彼女の事が気になってた。
途中、何度もバカらしくなったり、自分に自信が持てなくなって、言い寄ってくる女性と遊んだりしたけど、気分が晴れる事はなかった。
ずっとモヤモヤしてたけど、渉に話して、頑張れる気がして来てたのに…
やっぱり既婚者子持ちの大先輩は、考え方も大人なんだ…
淳子さんも、そんな風に思ってるから、線を引いてるのか…?
気持ちの整理がつかない…
俺はどうしたいんだろう…
だけど…会いたい…ただひたすらに…会いたい…
淳子さん…