第12章 新しい生活
社長さんと話してから、1か月。
色々考えて、悩みに悩んで、拓矢のお母さんに、
義母:「ここに縛られんで良いよ?ここでいつまでも泣いてたらあかんもんね…。
いつか…いつか、再婚もしてほしい。
拓矢は淳子ちゃんとあきらの幸せを願ってるはずやから。笑っててほしいわ」
そう言ってもらえて、拓矢との思い出の土地を離れる決心がついた。
あの大きな事務所まで来た。
警備員さんに社長へのアポの確認をしてもらって中に入った。
社:「やぁ!待ってたよ!元気だったかい?」
あ:「おじいちゃんっ!こんにちわ!」
あきらが社長さんに飛び付いた。
私は慌てて、
淳子:「こらっ!あきら!!」
引き離そうとした私に、手をあげてニコッと笑ってくれた。
淳子:「こんにちわ。すいません」
お言葉に甘えて改めて挨拶をして、向かいのソファに座る。
社:「それで?良い返事はいただけますか?」
あきらの頭を撫でながら聞いてくれた。
淳子:「ハイ、ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いいたします」
深く頭を下げた。
社:「そう言ってくれると信じてたよ♪もう部屋も探してある。3箇所押さえてあるから選ぶといいよ。まず色々手続きしようか」
コンコン。
マネ:「失礼します」
社:「おぉ、ナイスなタイミングだ。承諾してくれたから、手続きして部屋を案内してあげてくれ」
マネ:「わかりました。これからよろしくお願いします」
淳子:「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
二人で頭を下げた。社長さんがそれを見て笑った。
淳子:「無理ですっ!広すぎます!」
淳子:「無理ですっ!高級家具は要らないですっ!」
淳子:「…ここが一番マシ…かな…?」
マネ:「良かった。全部断られたらどうしようかと思いました。」
淳子:「イヤ、だって、ちびっこ2人で住むのに、4LDKなんて広すぎるし、高級家具なんて壊してすぐにゴミになるん分かってますもん!」
マネ:「まぁ確かに。社長は葉山さん親子がお気に入りのようでして…」
最後に案内してくれたマンションが、広いけど2LDKでなんとか住めそうなので、決める事にした。