第10章 涙の理由(わけ)
マネ:「気が付いたら連絡くれ。ホテルまで送る事になってるんだ」
マネージャーが立ち上がって部屋を出ようとした。
太:「それ!オレが行くのはダメですか!?」
マネ:「太輔…見られたらどうするんだ?」
太:「気をつけます!お願いします!」
マネージャーは小さくため息をついてポケットの中から紙切れと封筒を出した。
マネ:「お前今日車か?くれぐれも気をつけろよ?ホテルの名前と、部屋のカギだ。荷物は先に運んでおいた。あと、この封筒はディズニーランドのチケット。社長からのプレゼントだ。なんかあれば連絡を。くれぐれも気をつけてな。頼んだぞ」
俺の肩をポンポンと叩いて出て行った。
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誰かが、頭を撫でてくれてる。拓?どこ行くの?置いて行かないで…拓!
目を開けると知らない部屋のソファが見える。
誰かが頭を撫でてくれてる。
優しく、優しく。気持ち良い。久しぶりに落ち着く…
ふと、あきらが居ない事に気づいて、身体を起こす。
太:「良かった!気が付いた?あきらくんなら廊下で遊んでるよ♪」
振り向くと太輔くんが座ってる。
淳子:「えぇ!太輔くん!?なんで?あれ?うちどしたんかな?」
そう言えば、さっきあきらを太輔くんが抱き上げてるのを見て安心して…それからの記憶がない…
太:「びっくりしたよ。事務所に居るし、倒れちゃうし。ここまで運んで、気が付くの待ってたんだ」
淳子:「運んだ?うちを!?大丈夫!?腰痛めてない!?重いのにぃ!!」
太:「あはは。全然大丈夫だよ。それより気分はどう?」
優しく髪をかきあげてくれた。
淳子:「ありがとう。大丈夫。ちょっと緊張してたから、太輔くんがあきらを抱いてくれてて安心したみたい」
ガチャっと扉が開いてあきらが走りながら入ってきた。
あ:「ママ!」
淳子:「あきら!」
走って私に飛び付いてきた。ギューッと抱き締めてほっぺにキスをする。
淳子:「遊んでもらってたん?良かったなぁ。すいません。ありがとうございました」
入ってきた他のメンバーに頭を下げる。
北:「イヤイヤ、めっちゃ楽しかったですから」
玉:「気分はどう?大丈夫?」
淳子:「ありがとうございます。大丈夫です」