第10章 涙の理由(わけ)
淳子:「失礼します」
頭を下げて、あきらの手を引いて部屋を出た。
あきらは社長さんにバイバイと手を振っている。
ロビーでマネージャーさんを待つように言われたので、エレベーターで下に降りる。
ソファに座って走り回ってるあきらを見ながらさっきの社長さんの話を考えてた。
あきらはどうしたいだろう…まだ分かるハズないよなぁ。
ふと見ると入り口に人が居る。さっきまで居なかったのに。男性ばかり。
あきらを呼ぶと返事がない。
慌てて、もう一度あきらを呼ぶ。まだ返事がない。私は泣きそうになりながらあきらを呼んで、辺りを見渡した。
入り口に居る男性達の中の一人があきらを抱き上げているのが見えた。
持ってた荷物を掘り出して入り口へ走る。
もう、誰も消えないで!居なくならないで!
淳子:「あきら!」
叫ぶと、固まってた男性たちがこっちを見た。
あ:「ママ。太ちゃん♪」
あきらは太輔くんが抱いている!
笑って私の名前を呼びながら歩いて来る。私の目の前が真っ暗になった。その場で倒れてしまった。
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収録が終わって、楽屋で帰り支度をしてると
北:「お~い!ちょっと今から、予定空いてるやつは俺と事務所に行って下さぁい。なんかマネージャーが話があるんだってぇ」
特に予定のなかった俺は手をあげた。
太:「オレ行くわ」
玉:「オレも!行く!」
宮:「じゃぁ、オレも行く!」
結局全員行く事に。
車から降りて、事務所の入り口に来た時、男の子がロビーで走り回ってる。
見たことある子だ。男の子が気づいて両手をあげて走って来た。
太:「あきらくん!?」
びっくりしながら抱き上げると、嬉しそうに抱き付いてきた。
横:「え?なんで?」
玉:「わ!ちょっとおっきくなってない?」
北:「なんだ?なんで居るんだ?」
宮・二・千:「本物だぁ!可愛い~!」
淳子:「あきら!」
入り口から女性の叫び声。
淳子さんが立っていた。
太:「淳子さん!どしたの?なん…」
言いながら近づいたら、目の前で淳子さんが倒れた。
慌ててあきらくんを降ろして、淳子さんを抱き上げる。
太:「淳子さん!淳子さん!」