第36章 永遠に…
南向きの多きな出窓には、たくさんの写真が飾ってある。
淳子が泣きながらあきらくんを抱き締めてる卒園式。
念願の小学校の門の前で入学式の文字の横で3人で並んでる入学式。
リュックを背負って、女の子と手を繋いでみんなと歩いてるあきらくんの遠足。
俺の実家でみんなで祝ってくれて、両親と彼女とあきらくんで撮った俺の誕生日。
3人で浴衣を着て初めて行った夏祭り。
ミッキーの部屋で3人で撮ってもらったディズニーランド。
夏にメンバーとしたBBQ。
体操服でグランドを走ってるあきらくんの運動会。
3人で写ってたり、もっと大勢だったり、2人だったり。
一番奥に1つだけ、小さなあきらくんと彼女を抱く男の人の写真が置いてある。
リビングのソファに座ると見えなくなってしまうその写真立ては、毎日俺達を見守ってくれてる。
3人で暮らすには狭いからと、新しく引っ越したマンションは、広くて明るく、あきらくんが通う学校にも近い。
何かある事に写真を飾る彼女は幸せそうで、俺はそれが幸せで…
あっという間に1年が経とうとしていた、あきらくんの誕生日。
たまたま休みだったので、彼女と予定していたプレゼントを買いに行く。
学校から走って帰って来たあきらくんが、勢いよくリビングのドアを開ける。
淳子:「あきら、びっくりするから大きな音はあかんで!」
あ:「ママ!太ちゃん!良いの!?」
太:「ちゃんと責任持って世話しなきゃダメだよ?」
あ:「絶対するよ!離れない!可愛い!ありがとう!!」
あきらくんが抱き上げたのは、チワワの仔犬。
黒い毛並みに鼻先だけが白くて、耳が寝てるのが可愛い。
淳子:「あきら、名前は?」
あ:「シャスタ!Shining star!輝く星!ノリちゃんが教えてくれたの!」
太:「良い名前だね!よろしくな♪シャスタ♪」
尻尾を振って、あきらくんを舐めているシャスタの頭を撫でて彼女も「よろしくね♪」と言った。