第34章 愛してる…
太:「ねぇ、あきらくんの卒園式っていつ?」
淳子:「ん?3月20日♪の前にお泊まり保育でプチ旅行に行くねん!今年は2泊もするんやで!?先生だけじゃ足らんからくじ引きで当たった保護者が一緒に行くねんて!うちは外れたけど…」
バレンタインが近いある夜、あきらくんの幼稚園の制服が目に入って聞いてみた。
太:「じゃぁ、その2日間は二人っきりだね…」
淳子:「…そうなるかな…?」
太:「久しぶりにデートしよっか♪あ!オレらも温泉とか行こうよ!」
淳子:「(笑)うん、太輔、めっちゃ嬉しいけど仕事は?」
太:「…」
淳子:「あはは。太輔可愛い♪」
黙りこんだ俺の顔が彼女のツボだったようで、
床に座ってた俺の頭にソファに座る彼女がキスをした。
彼女も床に座って、膝枕してくれる。
俺の髪を優しく撫でながら、
淳子:「どこも行かんで良いよ♪こうしてるだけで充分♪」
静かに呟いた。
太:「あきらくんの卒園式、見に行きたいなぁ…」
淳子:「コラコラ、それは無理ですよ♪」
太:「あきらくんの入学式も…」
淳子:「ん?太輔?どしたん?」
淳子:「写真も動画も録ってくるよ~♪」
太:「小学校の門の前にある入学式の看板の前で一緒に写真撮りたい…」
淳子:「ん~今日の太輔くんは急にどうしたんかなぁ?」
笑いながら俺の頬を両手ではさんでくる。
太:「だって、あきらくんの小学校の入学式はもうないじゃん…」
淳子:「まぁ、そうやけど…現実問題として無理やん?…拗ねやんとって…?」
彼女が静かにキスの雨を降らせてくれる。
実現できる方法あるよね…