第32章 抱き締めたい
映画の撮影も無事に終わって、嵐のような出来事から3ヶ月が経とうとしていた。
街はクリスマス色に変わってきていて、大切な人へのプレゼントを選ぶ人達の幸せそうな顔であふれていた。
今年のあきらのお泊まり保育は卒園間近に2泊3日のプチ旅行に行く。去年は太輔くんとデートしたなぁ…
クリスマスにもらったピアスと誕生日にもらったネックレスは外せなくて、ずっと付けてる…
たまにあきらが付けたテレビに映った太輔くんが元気そうなので、それで満足していた。
今日はあきらが幼稚園に行ったので、ソファに寝転んでのんびりしていると、テーブルの上のスマホが光った。
淳子:「もしもし?」
大:「ずっと待ってたのに、いつになったら連絡くれるん?」
淳子:「(笑)お久しぶりです♪元気そうやね♪大倉くん♪」
大:「元気やで♪おれ今日休みやねんけど、淳子さんはどこ?あきらくん仕事?」
淳子:「あきらは今日は休みやから幼稚園に行ったんよ♪だからうちはゴロゴロしてた(笑)」
大:「(笑)ほな、会およ♪久しぶりに♪バイクで迎えに行って良い?」
淳子:「わぁ!バイク!?楽しみ♪」
大:「(笑)lineに住所送って♪1時間後でいける?」
淳子:「うん!待ってる♪」
久しぶりに聴く関西弁はやっぱり嬉しくて、楽しい。
太輔くんと別れてからは、とくに人とも話す機会が減ったからかもしれない…