第31章 季節外れの嵐
朝目覚めると、大きなベットにあきらが大の字になって眠っている。
パジャマに着替えさせてもらってて、小さな人形を握りしめてる。
部屋に付いてるシャワーをお借りして、少しサッパリした私は、テラスに出てみた。
洗濯物を干してる静香さんが私に気付いて手を振ってくれた。
静:「おはよー♪まだ早いよ~!」
淳子:「おはようございます。昨日は色々ありがとうございました。あきらも…すいませんでした」
静:「全然大丈夫だよ~♪あきらくん可愛いし、男の子はやっぱり新鮮♪」
静:「もうちょっとゆっくりしたら?朝ごはんになったら呼んであげる♪」
淳子:「イエ、もうこれ以上は…」
静:「えぇ~!今日はここから行きなよ~♪服あげるし♪用意してあるんだよ?」
淳子:「イヤ、でも…」
静:「あたしのお古と娘のお古だから気にしないで♪」
静:「心配だし…」
初めて、静香さんが昨日の事に触れた。
ニッコリ笑って、
静:「ママ友?欲しかったから、なってくれると嬉しいな♪」
そう言って、握手してくれた。
マネージャーの前田さんに直接スタジオに向かう連絡をして、木村拓哉夫妻に見送ってもらって車を出した私は、悲しい出来事があったにも関わらず、今の自分の状況に驚いていた。
あの、木村拓哉夫妻に泊めてもらって、見送ってもらうなんて、スゴい事だ!静香さんに友達になってほしいと言われるなんて!
旦那が亡くなってからの私は、人生が全く変わってしまっている。恋人が年下のアイドルだったり、相談に乗ってもらうのが木村拓哉だったり…信じられない…
これまでが異常に上手く行きすぎてたんだ…
浅原さんに指輪を返して、今までの生活に戻ろう…