第31章 季節外れの嵐
木:「悪い!大分待たせた?」
静:「ううん。さっきだよ♪あきらくん可愛いね~、可愛がるのが分かるわ~♪」
静:「んじゃ、ごゆっくり~♪子供達~夜ご飯どうする~!?」
静香さんが叫びながら部屋を出て行った。
木:「あきらは任せとけば良いから。太輔となにがあった?」
私は、あきらの映画の撮影が始まったところから話した。公園での事、断ったのにバスで渡された指輪の事、太輔と連絡取れなくなってる事、誤解されたまま終わってしまうかもしれないのがつらい事…前田さんから聞いた、今回の太輔の記事が元カノと知って不安だと言う事…
途中から泣き出してしまった私の話は途切れ途切れになっていたのに、最後まで聞いてくれた木村さんは1つだけため息をついた。
木:「淳子ちゃんは太輔の事まだ好きだよなぁ?」
淳子:「…ハイ…」
淳子:「…でも彼は…やっぱり若くて可愛いくて綺麗な元カノに戻りたい、と思てるんなら解放してあげやなと思てます…」
木:「解放って?別れんの?別れて浅原くんと付き合うの?まぁ、浅原くんの方が結婚しやすいだろうし、歳も近いから話も合うわなぁ」
淳子:「まさか!太輔を忘れるまでは無理ですよ…だから、もう誰とも付き合えやんかな…」
木:「もったいねぇ~男はアイツだけじゃないよ?」
木:「なぁ!太輔!お前も自分でそう思うだろ!?」
扉の横のカーテンが揺れたかと思ったら太輔が出て来た。
久しぶりに会えた彼は少し痩せていて、悲しそうな顔でこっちを見た。
目が合って涙が溢れた。