第31章 季節外れの嵐
あきらの撮影終了時間が来た。
いつも通り、挨拶しながらスタジオを出ようとした時、浅原さんが走って来て、
浅:「今晩少し会えませんか?」
淳子:「すいません…今日は今から人と会う事になってて…」
浅:「そうですか…急にすいませんでした。じゃぁ、また明日…バイバイ、あきらくん♪」
あ:「バイバイ♪嵐くん♪」
あきらの頭を撫でてから戻る浅原さんが悪い人ではないから困ってしまった…
前田さんに家まで送ってもらって、木村さんに電話してみた。
淳子:「もしもし、あの、葉山です…」
木:「おぉ!お疲れ!今から言う住所に行ける?車ある?タクシーでも言えば行ってくれるから!先に中、入ってて!」
教えられた場所は、大きな白いお屋敷で、私の軽4なんて消しゴムみたいに見える。
あきらと手を繋いで恐る恐る呼び鈴を押すと、可愛い女の子の声がして、「どうぞ~」と言うと小さな扉の鍵がカチリと開く音がした。
豪邸の中に入ると、出ました!工藤静香さんが出迎えてくれた。
客室と思われる部屋に通してくれた静香さんはほんとにたれ目で可愛いかった。
二人の娘さんも、あきらと遊ぼうとしてくれてて、あきらは知らない広いお家を探検したくて仕方ないようだった。
静:「あきらくん可愛いね~」
持ってきたお茶を一口飲んで静香さんが笑ってくれた。
静:「一人で大変だよね~うちも居るんだかよくわかんないからね~」
静:「でも、話しはした方が良いよね~♪」
そう静香さんが言ったとほぼ同時ぐらいに扉が開いて、木村さんが入って来た。