第31章 季節外れの嵐
現場には、ほんとに報道の人達が居た。
前:「向こうさんはノーコメントなんですよ…相手が一般人だから否定する理由もないんですけどね…」
ロケバスに乗り換える時に言われた。
私はただひたすらに嵐がすぎるのを待つしかないとも…
待つのはかまわないけど、それを太輔は理解してくれてるだろうか…
あの写真を鵜呑みにしてないかが心配で不安なのに、電話に出てくれない…
なんとかあきらを説得してバスで待ってると、渦中の人が来た。
浅:「あの…すいません…まさか撮られてると、思わなくて…」
淳子:「あ、イエ…」
淳子:「あの…えっと…その…あ、あの時、私一人でベンチに座ってたハズなんですけど…」
浅:「…ハイ…眠ってらしたので声をかけずに行こうとしたら倒れそうになったので、肩を貸しました…思わず…キスしてしまってすいません…」
淳子:「!したんですか!?」
浅:「…ハイ…すいません…オレ、あなたの事が気になってて…」
浅:「こんな事になって申し訳ないと思ってます…責任をとらせて下さい…あなたとあきらくんを守らせて下さい!あの…お付き合い…していただけませんか?」
小さな箱をポケットからだして、私の目の前で開けると、ピンク色の指輪が光っていた。
淳子:「あの!困ります!私、好きな人が居ます!」
浅:「…でも、その人から指輪をもらうような間柄ではないんですよね?」
淳子:「ハイ?」
浅:「オレが先に渡します。あなたに想われてる人がいくつでどこで何をしてる人か知りませんが、オレも候補に入れて下さい。歳も近いし、そこそこ金も持ってるし、あきらくんともけっこう仲良しですよ♪」
そう言って、私に指輪の箱と紙切れを持たせるとバスから降りて行った。
嵐だ…まさに…どうしよう…