第31章 季節外れの嵐
マネージャーが持って来た週刊紙には、俺の合成写真の記事と、彼女と例の俳優さんが写ってる記事があった。
公園のベンチに並んで座って、彼女の頭は俳優さんの肩にあって、俳優さんがキスしてるように見える写真。
テレビの中から聞こえる言葉は、彼女の事を話してる。
声が出ない…電話して確認したいのに…
テーブルの上のスマホが鳴ってる…
マネ:「太輔!大丈夫か?葉山さんは一般人だからオレ達はなにもできない。俳優さん側に任せるしかないんだ…」
マネ:「葉山さんからだぞ?出ないのか?」
渡されたスマホの画面には、あきらくんと彼女が笑ってる写真が出てる。
しばらく鳴ってた電話は、諦めたように静かになった。
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驚いたと同時に、彼も知っているのではないかと思って電話したけど、出てもらえなかった。
仕事が始まったのか、避けられたのか分からない…
迎えに来てくれた前田さんが見せてくれた週刊紙にはこの前の公園での写真が載っている。
キス…してるように見える…
前:「葉山さんは一般人だから、こっちからは何もできないんです。すいません…たぶん今日の撮影は報道人が多いと思うので、なんとかあきらくんを説得してなるべくロケバスの中に居てもらたいたいんですが…」
淳子:「あきら、今日、ママちょっとしんどいからバスで待ってて良い?前田さんが傍に居ってくれるから…」
繋いだ手を離さないあきらが、なんとなく今の状況に気付いてる気がした。