第31章 季節外れの嵐
彼女とあきらくんがプールに行ったり遊びに行ったりして、ちょっと日焼けした肌が新鮮だった夏がすぎて、肌寒くなって来た頃、嫌な話を耳にした。
今、あきらくんは初めて映画の撮影をしている。
初めて俺と彼女の事を知ってる人が居ない現場…
今までは俺や木村さん、翔くんがなんとなく彼女の傍に居た…
翔くんは彼女から聴く限りだけど…
だから、自然と守れてたのか…
あきらくんと彼女は人を寄せるみたいで、今、共演中の俳優さんがよく隣に居るらしい…
毎日連絡してるし、不安になる事なんてないけど、気になる…
北:「お~い!次、お前の番!」
北山に肩を叩かれて、顔を上げると、目の前のセットが淡いピンク色に替わった。
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映画の撮影が始まってから、主演の俳優さんがよくかまってくれる…
浅原嵐さん…
事務所のタレントさんでもドキドキが半端なかった私に、他の俳優さんが大丈夫なハズもなくて…
連日、ロケで公園に来てる。
バスの中で待っているとあきらが嫌がるので、外のベンチに座っている。
今日は日差しがポカポカしてて…
少しうとうとしてたようで、人の気配で目が覚めた。
ゆっくり目を開けると目の前に浅原さんの顔がある。
びっくりしたのは浅原さんも同じだったようで慌てて顔をそらした。
そして、さらにびっくりしたのは、浅原さんに肩を借りて寝ていた自分!
一人でベンチに座ってたハズなのに…
慌てて身体を起こして、
淳子:「あの…すいませんでした。えっと…私…」
言いかけた私を残して浅原さんは「気にしないで」と言って、呼んだスタッフの方へ歩いて行った。