第30章 欲しいもの
あきらくんが眠って、静かになったリビングでテレビを見てると、彼女が小さな紙袋を持って隣に座った。
淳子:「ギリギリ今日中♪」
太:「何?」
淳子:「誕生日おめでとう♪」
太:「え?クッキーくれたのに?」
淳子:「イヤイヤ…中学生やないんから(笑)さずかにあれだけでは…」
太:「わぁ…マジ嬉しい…開けていい?」
淳子:「もちろん♪気に入るかなぁ…」
紺色の箱に水色のリボンが付いた手のひらサイズの箱を開けると、ブレスレットが入っている。
太:「これ…パワーストーン?」
淳子:「うん…気が向いたら付けて…あんまり付けてるの見た事ないから…どうかと思てんけど…」
太:「あぁ、うん。あんまり持ってないから嬉しいよ!ありがとう♪」
安心したような顔で小さく息をついた彼女を抱き締める。
太:「悩んで選んでくれたんだ♪ありがとう♪」
淳子:「ん?ごめんね?着飾ったりする事に疎いから…」
太:「その方が良い…化粧や香水の香りがしない淳子が好き…」
淳子:「…太輔…今日…ありがとう…♪」
彼女も俺を抱き締めてくれる…
太:「誕生日プレゼント、淳子をもらうつもりだったのにブレスレットで言えなくなった…」
少し身体を離して笑いながら彼女を見ると、俯いてしまった。
太:「ウソ…」
彼女の顎に手を添えて、ゆっくり持ち上げる…
太:「毎日ほしい…毎日…抱きたい…」
目をつむった彼女のそれがサイン…
ゆっくり優しく唇を重ねる…
首に回された彼女の腕が、重ねる唇を激しくさせる…
服の中に滑り込ませた手が彼女を刺激する…
眉を寄せて、身体をひくつかせる身体に我慢できなくて…
太:「…淳子…」
彼女はすんなり俺を受け入れた…