第30章 欲しいもの
母:「淳子ちゃんは関西の方なんでしょ?」
淳子:「あ、ハイ!大阪です」
母:「新喜劇だわ!劇場で見たことある?」
淳子:「ハイ♪中学生の頃に…」
母:「じゃぁ、たこ焼き機って家にあるの…?」
淳子:「(笑)ハイ、あります。あきらも好きでよく焼きます(笑)」
母:「まぁぁぁ!」
母さんが目を輝かせながら彼女に話しかけている。
父さんはそんな二人を微笑みながら見ていて、弟達があきらくんと遊んでる。
母:「太輔は淳子ちゃんのたこ焼き食べたことある?」
太:「(笑)たこ焼きはまだだけど、お好み焼きはあるよ♪」
母:「!今度私達にも焼いてくれない?」
淳子:「(笑)ハイ、もちろん♪」
父:「じゃぁ、その日はお好み焼き定食だね♪」
父さんと母さんが笑い合ってるのを見て、彼女も笑顔で俺を見た。
俺は嬉しくて彼女の手に自分の手を重ねた。
あ:「ママ!太ちゃん見て!」
亮輔と組体操みたいな事して、友輔が支えてるあきらくんが笑顔で呼んでる。
父:「お!スゴいな!ちょっと待って!写真撮ろう!」
淳子:「あきら!お兄ちゃんしんどいからもうやめてよ!すいません…」
母:「気にしないで♪普段は二人なんだから、男手がある時ぐらいね♪」
淳子:「ありがとうございます♪」
母:「ねぇ淳子ちゃん。太輔があなた達を家に連れて来た。うちは大歓迎なのよ♪だから、安心して頼ってね♪いつでもいらっしゃいね♪」
話ながら彼女の隣に座った母さんが彼女の肩に手を置いた。
太:「大丈夫って言っただろ?」
彼女が目に涙を溜めながら小さく笑った。