第29章 付き合うという事
目が覚めると、家の中がとても静かで、二人が先に出かけたのが分かった。
昨日、コンサートに行く前に分かる範囲のスケジュールを彼女に伝えていたから、今日は俺が昼からなのを知ってて起こさず行ってくれたようで。
ダイニングテーブルにコーヒーの入れ方とあきらくんからの手紙と…家の鍵が置いてあった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
淳子:「おはようございます!昨日はありがとうございました!」
あ:「翔ちゃん!おはようございます!ハイ!」
桜:「おはようございます♪ん?何?」
淳子:「あの、こんなものですが…遅くなって、すいません。お誕生日おめでとうございます♪」
あ:「クッキー!僕とママで作ったよ♪」
桜:「マジで!?わぁ!めちゃくちゃ嬉しいな!ありがとう♪」
桜:「後でみんなに自慢しよ♪」
桜:「あ、昨日…なんかニノが泣かしたって?ごめんね?」
淳子:「え?そんな…二宮くんに罪は全くないですよ…って!え?なんで?見えてた?」
淳子:「あ…太輔くん?」
笑いながら頷く翔くんが
桜:「やっぱ、ナチュラルだなぁ♪藤ヶ谷良いぁ~♪」
と言った。
なんの事か分かっていない私の頭を撫でて、笑いながらあきらを追いかけてセットの方へ歩いて行く。
翔くんとのドラマの撮影が終わりに近付いてきたある日。
またも、耳にした言葉。気のせいか、最近よく耳に入る…
女の子:「さっき、キスマイが居た!ね!夜誘ってみようよ!」
女の子:「やん!マジで!誘お!」
たぶん、私が知らないだけでタレントさんなんだろうけど、女優さんではないと思う女の子がそんな事を話してる。
前にも、"キスマイと一緒だから誘ってみよう"って…
誰をどう誘っているのか分からないけど、やっぱり男の子なんだから、誘われて嫌な気はしないだろうなぁ…
彼はどうしてるんだろう…少しの不安と心配を抱きながらスタジオに入った。