第3章 出逢い
びっくりした!
えぇ!今の!夢の中のあの人!?
え?なんで?泣いてない。笑ってた。優しい笑顔で息子を抱き締めてた。
愛しくて愛しくて仕方ないのが顔に溢れてた。
ボーっと小走りで去って行く彼女を見てたら渉が隣にぬっと立ったのがわかった。
横:「どした?何みてんの?行くよ?」
背中をポンポンと叩かれて
太:「渉!夢の中のあの人が居た!」
横:「ん?あ!前話してくれた人?えぇ?マジで!?スゲーじゃん!運命的!」
太:「でも、子ども連れてて笑ってた…」
コンサートも中盤まで来て、いよいよ抽選会が始まろうとしていた。
北:「はい、んじゃ、みんなわけわからずに席札入れた理由を発表しまぁす!」
北:「今から順番にオレらが担当の箱の中から1枚だけ席札を引きまぁす。選ばれた7人のその席札の方と!
オレらがデートしまぁすっ!!」
そう言うと開場から割れんばかりの悲鳴があがった。
北:「呼ばれた席札の人はかかりの人が確認に行って、簡単に説明してくれるから待っててね~」
順番に席札を引いていく。
オレの番。スタンド席の番号だ。あれからあの人を探してるけど見つけられない。どこに要るんだろ。ピンクっぽい色の服を息子さんと一緒に着てたから、オレのファンだよな?
関係者の家族なのかな。なんで泣いてるのか聞きたいけど、夢の話されたら驚くだろな。
でも…
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幸:「ふとっぱらな事するなぁ!当たったらどうしよ?うふふ」
幸はそう言いながらチケットの番号を確認した。念のため、私もチケットを確認するけど、さっき会えたのだから当たるはずがない。
あれから無事に間に合って戻れた私はうちわを引っ張りだしてびっくりした。
わぁ!えぇ !藤ヶ谷くん!?道理で見た気が!
てか、あきらと写真撮ってもらえば良かったぁぁぁ。残念すぎる!
後悔むなしくコンサートは始まって何回か藤ヶ谷くんは笑顔で前を通りすぎていった。