第28章 誕生日
朝、先に家を出る彼が
太:「あ!忘れてた!25日、オレも休みだから3人でどっか行こ♪」
玄関へ見送りに来た私たちにそう言った。
淳子:「えっ!!外は無理やって!」
太:「んじゃ、行ってきます♪」
びっくりしてる私に笑いながら手を振って仕事に向かった。
あ:「葉山あきらです!よろしくお願いします! 」
ペコリと頭を下げて、にっこり笑ったあきらに
スタジオの中に居たスタッフや関係者の方々が気付いてくれた。
桜:「こんにちは♪あきらくん」
あ:「翔ちゃん!こんにちは♪」
翔くんがあきらの頭を撫でながらこっちを見て、
桜:「久しぶり♪顔合わせ以来だね♪よろしくお願いします」
にっこり笑ってくれた。
太輔くんもだけど、ここの事務所のタレントさん達はほんとに日本中の女性を虜にするだけの笑顔があって、スゴい!
一般人の私には毎回心臓への負担が半端なくて、相手をしてる女優さん達はスゴいと思った。
少し不手際があったらしく、待ち時間ができた私たちはスタジオの隅でスマホの動画を見ていた。
桜:「何してるんですか?」
振り返えると翔くんが、またあの笑顔で立っている。
淳子:「あきらの小さい頃の動画を見てます(笑)」
桜:「小さい頃って?今もまだ小さくない?(笑)」
淳子:「(笑)もっと小さい頃。パパが居った頃…」
桜:「あ…ごめんなさい…」
淳子:「イエイエ♪」
桜:「あきらくんはおいくつですか?」
淳子:「もうすぐ5歳です♪あ!そう言えば!この子、翔くんと誕生日一緒なんですよ♪1月25日♪」
桜:「わぁ!マジですか?なんか嬉しいなぁ♪じゃぁ、もうすぐですね♪」
桜:「あ!お近づきの印にあきらくんにプレゼント!25日、嵐のコンサートがあるんですよ!チケットプレゼントします!」
淳子:「え!そんなんいいですよ!貰えません!!」
桜:「嵐のコンサート来てくれた事あります?楽しいですからぜひ!」
淳子:「…イヤ…でも…」
桜:「あ…藤ヶ谷?」
声を小さくしてくれた翔くん。
淳子:「…ハイ…休みやからどっか行こうて言うてくれてるんですけど、外は無理ですよね…?」
桜:「う~ん…たぶんねぇ…」