第27章 こんな毎日
ピンポーン。
扉を開けてくれたのは、おふろ上がりのあきらくん。
ほっぺが真っ赤で上半身はまだ裸。
彼女もタオルを頭に巻いたまま、リビングから歩いて来た。
あ:「おかえりぃ♪太ちゃん!」
淳子:「おかえりなさい♪早かったね♪」
太:「もしかして、慌てて出た?ごめん!」
淳子:「ううん。大丈夫。でも、鍵持っててもらう方が良いかなぁ?」
俺の上着をかけて、笑いながらキッチンに入って行く彼女。
あ:「太ちゃん、今日も一緒に寝る?」
太:「うん。良いかな?」
あ:「いいよ♪お歌歌ってあげるね~」
淳子:「あきら!これ!飲んで!上着よ!」
キッチンからお茶の入ったコップを持って出てきた彼女があきらくんを捕まえる。
淳子:「太輔、おふろそのまま入ってしまう?出てからご飯にする?」
太:「あぁ、うん。そぅしよっかな♪」
風呂から出ると、ダイニングテーブルに夕食の用意がしてあって、彼女はあきらくんとテレビを見ていた。
振り返って俺に気付いた彼女は、あきらくんを膝から降ろして、こっちに来た。
淳子:「お水で良い?」
太:「うん。ありがとう♪」
淳子:「もしかして、ビールとかの方が良い?」
太:「ううん。水で良いよ♪後でまた、あの甘いの入れて♪」
淳子:「うん。でも、うち太輔の事あんまり知らんねんなぁ…タバコも知らんかったし…」
淋しそうに俺を見る彼女が可愛いかった。
太:「これからいっぱい知ってよ♪オレのいろんな事。オレも淳子とあきらくんの事いっぱい知りたいよ♪」
淳子:「うん!教えてな♪」
笑顔になった彼女は、嬉しそうにおかずを温め直してくれた。
淳子:「あきらぁ、そろそろ寝る時間やで~明日から翔くんとドラマやで?楽しみにしてたやろ?」
あ:「うん!じゃぁ、太ちゃんも寝る?」
太:「うん。オレも食べ終わったから寝よかな?お歌歌ってくれる?」
あ:「良いよ~♪」
あきらくんと手を繋いで布団に入った。
あきらくんは俺の腕枕で小さく歌いながら俺をポンポンと寝かしつけてくれてる。
俺はそんなあきらくんの頭をずっと撫でていた。