第27章 こんな毎日
淳子:「よし、食べよ!」
ダイニングテーブルに雑炊が入ったお茶碗と焼き魚が用意されている。
淳子:「太輔くんもちょっとだけでも食べてな?こんなものですが…」
あ:「いただきまぁす!」
あきらくんに「ハイ」と笑顔で返事して、俺の向かい側の椅子に座った彼女が
淳子:「そいや、渉くんが今日は14時になったって言うてたよ♪」
また、「渉くん」と言った。
俺以外のメンバーは名字だったのに…
太:「淳子さ、いつから"渉くん"になったの?」
淳子:「ん?」
太:「オレにも"太輔くん"だよね?」
淳子:「ふふ、そこ気になる?翔くんは良かったん?」
笑いながら、俺の口元に付いたご飯粒を食べた。あまりに自然にするからびっくりした。彼女も気が付いたみたいで顔が紅くなった。
太:「…オレだけが名前呼びだったのに…」
自分の発する言葉が恥ずかしかった。俺、こんなに人に甘えるんだ…
淳子:「ごめん、ごめん。じゃぁ、横尾くんに戻す♪」
太:「呼び捨てにしてくれれば良い…」
淳子:「呼び捨て!?あんまり得意じゃないんやけどなぁ…」
太:「…」
黙って雑炊を食べた。
淳子:「ほんまに?恥ずかしいんですけど~太輔く~ん」
太:「…」
淳子:「太輔くん」
太:「…」
淳子:「太くん」
太:「…」
淳子:「太ちゃん」
太:「…」
淳子:「た、い」
太:「…」
淳子:「す…け?」
太:「ん?なに?」
真っ赤な顔で俺を見てる彼女が居た。嬉しくてニヤニヤしてる自分が分かる。
淳子:「あぁ、恥ずかしい!慣れるまで大変やわ!」
手をうちわ変わりにして、扇いでる。
あ:「ごちそうさまでした。ママ、太ちゃんと遊んで良い?」
淳子:「太輔くん大丈夫?」
太:「…」
淳子:「あ…た、太輔、大丈夫?」
顔を紅くしながら言う彼女の頭をポンポンして、
太:「大丈夫だよ。あきらくん何する? 」
そう言って、あきらくんと手を繋いでテレビの前のオモチャエリアに向かった。