第25章 恋敵?
太:「連絡先…教えてあげるの?」
淳子:「…あかん…かな…?」
彼女が上目遣いで俺を見た。
滅多に見せてくれないこの表情が堪らなく好きで許してしまう…
太:「ちゃんとオレに報告してくれる?」
彼女は嬉しそうに頷く。
太:「じゃぁ良いよ♪その変わり、キスして♪」
唇をつきだすと、キョロキョロ辺りを確認してから、チュッと軽くほっぺにキスをした。
太:「え~!?」
淳子:「こんなとこで無理です!」
顔を紅くした彼女の手を引いて、翔くんの待つエレベーターホールへ向かった。
淳子:「太輔くん!翔くんやで!」
忘れてた…彼女の会いたい人の中に翔くんが居たんだ…
淳子:「太輔くん!翔くん!翔くん!」
彼女が小声で何度もそう言う。かなりテンションが上がって来てる…
視界に入った俺と彼女を見て、翔くんが驚いて立ち上がった。
桜:「藤ヶ谷…」
太:「ご心配おかけしました。オレの彼女です」
俺の後ろに隠れようとしてる彼女を隣に立たせる。
淳子:「ちょっと!太輔くん!恥ずかしい!」
淳子:「あ!えっと…こんにちわ。葉山淳子と申します」
頭を下げた彼女に
桜:「これはご丁寧に。桜井です」
と翔くんも頭を下げた。
桜:「…葉山って、あきらくんのお母さん?」
淳子:「え?ハイ!あきらを知ってくれてるんですか?」
桜:「もちろん!次のドラマで一緒ですよね?」
淳子:「えっ?そうなんですか!?もぅ…また、うちらだけ知らん~」
小さくほっぺを膨らました彼女を見て、翔くんと笑った。
淳子:「あ!あきら!玉森くん達に預けっぱなしや!翔くん、すいません。太輔くん、ごめん!」
そう言うとあきらくんを捜しに会場へ戻って行った。
桜:「ちょっと驚いたなぁ…藤ヶ谷、趣味変わったね。良いなぁ…あぁゆぅナチュラルな人…」
走って行った彼女を見ながら翔くんが言った。
太:「ち、ちょっと!翔くんまで!?」
慌てた俺に、笑いながら
桜:「オレまでって何?取らないよ!ちょっと色々聞かせてもらおうか…」
そう言って、俺の肩に手を回して、会場へ歩いて行く。