第25章 恋敵?
目の前の大倉くんが、顔を紅くして話してる。
大:「あの…オレ、淳子さんが好きなんやと思います。付き合ってもらえませんか?」
真っ直ぐに目を見てくれる大倉くん。
淳子:「ありがとう…でも、うち傍に居りたくて、居ってほしい人が居るねん…」
大:「それって、藤ヶ谷くん?」
淳子:「えっ?なんで…?」
大:「さっき…話してた…よね?」
淳子:「…」
大:「淳子さんの事、置いてったで?」
淳子:「…置いてかれたな…」
苦笑いした私に、大倉くんの大きな手が伸びて来た。
引き寄せられて、胸にポフッとはまる。
背の高い大倉くん。憧れてた…こんな抱き締められ方…
でも…
ソッと大倉くんの胸を押して離してもらう。
大:「オレは泣かせへん自信があるで…」
淳子:「うん。太輔くんも言うてくれたん…だから信じてる。戻って来てくれるんを…」
淳子:「ほんまにごめんなさい…」
産まれて初めて人を振った…こんなに心が痛むものだなんて知らなかった…
目の前の大倉くんは、私から両手を離すと、
大:「もう…オレの担当…やめる…?」
寂しそうに言うから、どうして良いか分からずに、
淳子:「そんな事ないよ?良いならファンとして見てるよ?」
淳子:「できたら遊んでほしいもん。錦戸くんもたこ焼パーティーしたいて言うてたし…」
大:「えっ?亮ちゃん?」
淳子:「うん。さっき連絡先聞かれたよ?スマホ鞄の中やから、まだ教えれてないけど…」
大:「アイツ、いつの間に…。じゃぁ、それ亮ちゃんやなくて、オレが連絡係になる!藤ヶ谷くんの変わりにオレが亮ちゃんの毒牙から守るわ!」
淳子:「あはは。毒牙て何よ?」
大倉くんも、やっと笑ってくれた。
大:「困らせてごめんな?オレ戻るわな?一人で大丈夫?」
淳子:「ありがとう…大丈夫。大倉くんこそ大丈夫?」
大:「オレは男の子ですからね♪それに嫌われてるんやないし♪」
笑顔でそう言って、少し声を大きくして、
大:「次、泣かしたら、もらうからね?藤ヶ谷くん!」
淳子:「え?」
大倉くんが、顔を向けた先に太輔くんが、立っていた…
大倉くんは、何も言わず離れて行った…