【家庭教ヒットマンりボーン】だって、かっこいいもん。
第1章 無頓着な姉
やっと授業いう呪縛から解放され、家に帰って来たと言うのに
なんだろうか、この事態は。
「…えーと…」
目の前で、多分お母さんが作ったであろうご飯を頬張る赤ちゃんがいる。
ご飯はべつに気にしない。
それより気になるのは、
「ぼく、どちらさん…?」
と言うか、なんで一人でご飯食べれるのかな。不思議。
「チャオっス」
一度視線をこちらに渡し、またご飯へと移す赤ちゃん。
「…お母さんの隠し子…?」
いやいや、まさか。
あのお母さんが?ありえん。
「ツーっ君の家庭教師なのー」
今日から住み込みで~。
ノリノリだねお母さん。軽い口調で私がいなかったときの経由を説明された。
ツナに家庭教師?あの子大丈夫なの?
「あ、ツナって今日もサボったの」
「そーなのよ。ユズ ちゃんもガツンと言ってやってくれない?」
眉を寄せながら困ったように頬に手を添える。そんな姿を横目に私はそうだね、と軽く流しておいた。
階段を上がり、自分の部屋に入るや否やため息をこぼした。
「疲れた」
赤ちゃん?もうその件はどうでもいいや。
宿題をやったり、音楽聞いたり、寝たり、本を読んだり、寝たりしていたら
ツナが帰っていったようだ。隣の部屋から悲惨な声が聞こえてくる。
別の聞きなれない高い声が聞こえてくるので、あの赤ちゃんもいるのだろうか。
「ツーナっ、入るよ?」
「ね、姉ちゃん…」
視界に写ったのは頭を抱える我が弟と、小さな赤ちゃん。
「なにかあったの」
ツナは、いつも悩みはあるか~。
そうおどければ怒られた。なんで。
「あ、お名前聞いてなかったね。私、柚希 。よろしくね」
「知ってるぞ、俺は今日からツナの家庭教師、りボーンだ」
へー、りボーンか。外国人?
まぁ、この子なら安心だな。なんでかはわかんないけど。
人は見た目じゃないんだね。やっぱり。
「ツナ、明日は私日直だから早いんだ。」
「あ、うっうん…」
朝の登校は、ツナが運よく起きたら一緒に学校へと向かうけど
それが起きないんだこの弟くんは。
「リボーンくん、ツナのことよろしくね」
にこりと笑い、身を屈めながら言うと
リボーンくんは口許を少し歪ませながらあぁ、と言った。