第4章 甘いぬくもり
〈やっぱいないか~…行こ?〉
その声を確認したのは5分後くらい。
その間ずっと大野さんの胸のなかにいた。
「行ったぁ……ごめんね、って
いちごちゃん?」
大野さんが離れて行きそうになって
あたしは強く抱き締め返した。
『も…もうちょっと…いいですか…』
だって今のあたしの顔
タコより真っ赤になってるから。
「…だいた~ん」
そう言って大野さんは
そのままの状態であたしの背中に
もう一度、手を回してくれた。
「…いちごちゃんてさ…
ブラしてねぇーの?」
『へ…はいい!?』
「いや、何もねぇからさ?
オイラ、ノーブラかと…」
大野さんの発言にびっくりして
あたしは彼からすぐ離れた。
『ぶ…ブラトップ…です!』
「んあ?なんじゃ、そりゃ」
『もう…大野さんの変態!』
そう言うとやっぱ、へにゃって
笑ってあたしが負ける。
「だって俺、男だも~ん」