第4章 甘いぬくもり
おいで。と言われて
大野さんの横に座った。
『お仕事、お休みですか?』
釣りをしてる大野さんの横顔に
キュンとしながらも問いかけた。
「んあ?あ~…うん。
コンサート終わったからね~…お休み」
『あ、お疲れさまでした。
観ました、観ました。
国立祭りだいっ!って…ふふ』
「あ~…テレビねぇ…
そうそう、それオイラのあいさつなの」
ニュースで見たけど、
本当に嵐ってすごいなと思った。
あたし、そんな人と話してるんだ。
『あ、大野さん……っ!?』
大野さんに飴をあげようとしたら
急に大野さんに腕を引っ張られて
やさしく抱き締められた。
びっくりして…
でも初めて感じるぬくもりにドキドキした。
「シーッ……
バレちゃいそうだから、
いちごちゃんに隠れてもいい?」
そう言われて耳を澄ませると
女の子の声がした。
〈ここに大ちゃんが来るって
聞いたんだけどな~…〉
〈まじ~?いないじゃん…〉
たぶんファンの子だよね。
もうちょっといてくれないかな。
だって、もう少しこうしてたいから。