第4章 甘いぬくもり
何故かあたしは昨日、
大野さんと会った川の近くを歩いてた。
別に会いたいとかじゃないんだけど、
いたら、いたで嬉しい。かも…
『な~んてね…』
天下の嵐様がここに来るわけ…
わけ……
『う…そ…』
昨日と同じ草むらの中にチラッと
見えたのは黒い髪と焼けてる肌
たぶん、振り向かれたら
あたしの心臓はおかしくなるかもしれない。
でも、彼はお構いなしにふにゃっとした
笑顔であたしを見てくる。
「こんにちは、いちごちゃん」
『こ…こんにちは…』
震えてる。
完全に声が震えてる。
「ふふっ…オイラのこと探した~?」
『へ!?い…いや…通りかかって…』
「ふ~ん…なんだ、期待したわ~」
こっちだわ!
待ってたのかなって期待した…。