第4章 甘いぬくもり
美香の家から帰る途中、
黄色い帽子を被った男の子が
家に入ってきた。
美香「おかえり、誠」
そう言って男の子の頭を撫でる
美香の顔は完全にお母さんだった。
そう。この子が美香の息子の“まことくん”
誠「あっ!姉ちゃん!」
『おかえり』
誠「あ、もう帰んの~?」
『また今度来るよ?』
誠「あ!これあげる!」
そう言ってポッケから誠くんが
出したのは二つの飴だった。
誠「彼氏の分!」
美香「あ…」
さすが美香の子供だな…この気づかい
『うん、ありがとう。
あげる人…いたいた』
誠「うん!じゃあな~」
『ばいばい。
じゃあね、美香』
二人に手を振って帰る途中、
貰った飴を見て思った。
いちご味の飴だからかな?
大野さんを思い出した。