第26章 いちご不足*智*side
〈はぁあ?
捕まえなかったの!!?〉
えりが電話越しですげぇ
デカイ声で叫んでる。
ちゃんのこと
言ったらそうなっちゃうか・・
本当はね、捕まえようとしたよ?
でも、きっとまた同じだと思った。
幸せのためには・・綺麗事かな?
〈あたしね?
あの時、逃げたけど・・
ちょっと止めてほしかった。
まぁ、止めるすらできないほど
逃げたんだけどさ?〉
「そ・・っか」
〈だーかーら!
狼にでもなって、
あの子、さらっていきなさいよ!〉
「・・うん」
〈あたし、今・・実家なの。
地道にがんばろうと思う。〉
「・・うん」
〈じゃあね。
早く行きなさいよ~!〉ピッ
えり、ありがとう。
オイラ・・迎えにいく。