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【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。

第2章 1Fr!『舞い戻ったblue』



部屋の中でベッドに寝転がりながら、何となく聞いていた音楽。





今まで気にしたことなんてなかったけど、音に乗って届いた歌詞は




まさに自分のそれと同じものだった。




『どうしてなの寒い夜はあなたを想い、胸が締め付けられる。』


『いつもいる行き場のない恋心は恥ずかしくってわかんなくって、遠回りしてるの…』


『目と目が合って気づいた。ずっとこのまま時が止まれば離れずに逸らさずに見つめられるのに』




そして、無理やり蓋を閉じようとしていた熱い想いが、再び溢れ出してきて、
自分の目からは吐き出せない想いと一緒に涙が溢れた。






「逢いたいよ…… 夏兄…」






感傷に浸る自分の元へ近づく足音。
見られてはなるまいと、袖口で、ぐい、と目元を拭う。





______次の瞬間放たれる部屋のドア



「お兄ちゃんっ!!」



そこにいたのは、息を切らした妹の蘭。



「どうした?そんなに慌てt「夏樹くんっ!」___えっ!?」

「今、何て…?」






何て言ったの…?夏樹って…?





「だーかーらー!夏樹くんがTVに出てるの!!早くお兄ちゃんもTVつけて!!」





突然のことに放心状態の真琴の横を蘭が通り過ぎ、TVの電源を入れる。
リモコンの操作によって映し出された映像に真琴は息を呑み釘づけになってしまう。






自分が求めて、求めて止まない存在が____








そこにいた。
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