Destination Beside Precious
第14章 11.Boys and Girls
「正直に言え」
有無を言わせない凛の気迫。
観念した汐は事実を呟いた。
「…しま…した」
恐々としながらそっと凛を見ると、なにやら目を見開いてわなわなと震えているように見える。
「り…凛く…、きゃあっ!?」
大丈夫?と声を掛けようとしたがそれは叶わなかった。
強引にベッドへ押し倒され、気づいたら凛に組み伏せられていた。
途端に心臓がはち切れそうなくらい大きく脈打つ。
太腿を割るようにして凛の膝が入っており、身動きが取れない。
「あの野郎…宗介、汐の唇奪いやがって…!」
凛の怒りの方向が宗介に向かっていて、なんだか少し気の毒に感じた。
「返せ」
「はい…!?」
「宗介にやった唇、全部俺に返せ」
「な、何言ってるの凛く…んんっ」
言い終わらぬうちに、口を塞ぐよう半ば強引に凛の唇が重ねられた。
振り上げた拳の落とし所を探すかのごとく、汐の舌を絡めとり噛み付くようなキスを繰り返す。
長く激しいキスからようやく解放された汐はいたずらっぽく言った。
「凛くん、もしかして、やきもち…?」
「うるせー。璃保にも男の嫉妬は醜いとか言われたが、ムカつくもんはムカつくんだよっ!」
どうやら図星のようだ。
拗ねた口調で子どもっぽく言いながらも、服の下の柔肌に手を這わせる。
「やきもち凛くん可愛い」
いたずらな笑みをさらに深くして、汐も服の下の鍛え抜かれた肉体を愛撫する。
「うるせー。そう言ったこと、後悔させてやるからな」
その言葉を最後に、また唇が重ねられる。
そしてふたりは、すれ違いで感じた寂しさを埋めるかのごとく激しく求め合った。