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Destination Beside Precious

第13章 10-2.Don't Leave One Alone Ⅱ※


ずっと慎ましさと恥じらいを大切にしていた汐であったが、身を起こして羞恥心を振り切って凛にお願いする。
どことなく嬉しそうな愛欲溢れる表情で汐のお願いを呑んだ凛は浴衣の帯に手をかけてそれを解く。
そしてゆっくりと時間を惜しまず丁寧に浴衣の衿をつかみ脱がしてゆく。
時間をかけて脱がされるとは思わず、汐はぎゅっと目を瞑りながらそれが終わる時を待つ。

やがて浴衣を剥がれ、下着姿になる。
そっと目を開けると、爛々と目を光らせる凛。
その姿を目に焼き付けるかのようにじっと見つめられると、振り切ったはずの羞恥心が目を覚ます。

「凛くん、そんなにまじまじ見つめないで…恥ずかしいよ…」
「自分から脱がせろって言ってきたくせに恥ずかしいのか?」
「凛くんも脱いでよ…」
「お前が脱がせてくれよ」

見つめ合い、僅かに流れる静寂。
凛に抱きつくように腰に手を回し、帯を解く。
いとも簡単に解くことができた浴衣の帯をそっと床に落とすと、自分がされたのと同じように浴衣の衿に手をかけ一思いに脱がしてしまう。
そこに現れたのは、いつ見ても惚れ惚れするほど美しい鎧のようについた筋肉。

見つめることを避けてきた、きっといけない視線を向けていると思ったから。けれどほんの出来心、思わず触れたくなった。
か細い喉を上下させると、手を伸ばす。
凛の筋肉は弛緩した状態だとしなやかだった。

「んっ…」
逞しい胸板をなぞると、胸の先端に指先が触れた。
その瞬間、しなやかだった胸が硬くなった。
肩を震わせた凛から甘い声が洩れる。

「あ、ごめ…」
触れてはいけなかったのかと、汐は凛を見上げると凛は眉を寄せた。

「なんで謝んだよ」
行き場を無くした汐の手を握ると、噛みつかんばかりのキスをする。
唇を離すと、凛は汐の背中に手を回しブラジャーを外す。
シフォン素材の春らしい色合いのそれが外されると、重力に逆らうように上を向くふたつの膨らみが凛の前に晒される。

汐の腰を支えて再びベッドに寝かす。
桜に色づく膨らみの先に触れないように凛は下から掬うようにやわらかさを愛でる。
男の身体にはないこのやわらかさが愛しい。
指にくい込む白い肉の触り心地が好きだった。
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