• テキストサイズ

little police

第13章 集結プロファイル


《歌川みさき side》


「歌川ぁ~。昼飯食わねぇ?」


「いいよ!…どこで食べる?」



俺が、little policeを登録してから3日。
それに誘った山吹は俺ととても親交が深くなった。

約5年間、友達がいなかった俺には新鮮な会話と行動で、毎日が楽しかった。


「今日はさ~、あそこ行ってみねぇ?…おくじょー!」


「屋上?」


おくじょーとは、あの屋上でいいのだろうか。


琴野高校では屋上に落下防止用のフェンスが設置されていないため、普段は屋上への出入りは禁止されている。

一応、勝手に屋上へ行くのは先生や風紀委員が許さないので、山吹は"おくじょー"の部分は小声で言った。


いつも1人で、刺激の無い生活を送っていた俺には魅力的すぎて、山吹に賛成した。


「でもさ、今日雨降ってるよ。屋上に行くと濡れながらに…。」


「おばか。扉の前なら屋根があるもんだろ?そこで食うわけ。」


「なるほどー!」


「分かったら、さっさと行くぞ!昼休みが終わっちまう!」


俺たちはクラスメートがガヤガヤと机を動かして弁当を食べようとしたり、食堂へ向かおうとしたりしている中、
人で混み合っている廊下を足早にすり抜けた。












「ところでさ、最近どうなわけ?リトポリの方は!!」



階段を上りながら山吹が尋ねてきた。


「順調だよ。でもミッション7の鍵がどうしても見つからなくて…。」


「あー!俺もそこで二週間くらい詰まってる!全っ然見つかんねーよな!!」


「そうなんだ!山吹くんも同じ所かー。これはしばらく進めそうにないかもね。」


「そうだなー。ちぇー!!誰か進めてる奴いねーかなー!」


スマホを持った手を大きく上に伸ばして、山吹は背伸びをした。



三階からの階段に足を付けて、もう少しだと更に上っていく。



やはり雨だから、教室や食堂で食べる人が多いため、三階の廊下は誰も歩いていない。


俺は山吹と、人の目を気にせずに話しながら屋上を目指せた。



「禁断の扉を目指してるみたいで、ちょっと緊張しねぇ?」


「リトポリにハマりすぎだよ(笑)」



いよいよ扉を目前にすると思いながら、階段を上った先に見えたのは、意外な妨げだった。




/ 109ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp