第12章 感情ミートアゲイン
「なら、月曜から学校来いよ?」
「えぇ!?何で!?はやいよ早すぎやせーへんかいな!?」
「何で関西弁…(笑)」
春の言葉に、咄嗟に出てきたのが何故か関西弁。
それにハマったのは琉架ただ1人。
「そうッスよ蓮堂さん。絶対、早いと思いますよ!!てか、琴高に2年間音沙汰無しなのに、籍置けてるんスか!?」
「確かにそうか…。籍の問題はあるかもしれないけど、受験は受かってるし、制服も買ってるだろ?」
「え、うん。一応合格はしたね…。制服もある。」
「なら、準備万端じゃないか。」
(準備万端って…。)
高一になる年の春休みに制服は購入した。だがその制服も、試着の時の一度しか着ていない。
(サイズ大丈夫かな…。
…じゃなくて!!!!)
「だから、準備万端じゃなくて!!今から僕が学校行ったって、何が変わるの!?」
「そんな事はどうでもいいだろ。」
「はぁ?どうでも良いわけ…。」
どうでもいいなんて、どこから湧いてくるんだ。その自信は!!
僕の気持ちをどうでもいいなんて!
自己チューか、春は!!
隣でずっと見ていた時雨と琉架も、春のその言葉には驚いていた。
「勇希雄、学校に来る理由が出来たじゃないか。」
「いつ…?てか理由ってなに?」
「俺に怒られると思ったから、すぐに来れなかったんだろ?」
「まぁ、そんなとこ。」
「だったら俺、怒らなかっただろ。勇希雄の秘密知ったとき。」
春から返ってきたのは予想外の言葉だった。
思い返せば確かに怒らなかった。ただ、呆れられたが。(当然のこと。)
「全然惨めなんかじゃない。ゲーマーなんて、むしろカッコいいじゃん。…月曜からってのは言い過ぎた。なら、12月まで通信教育はどうだ?冬休みに入れば、毎日補修に行って…。それならギリギリの知力は補えると思うんだ。」
僕のために長文を頑張って喋る春。
正直、あまり頭に入ってこない。
「そ…それなら…いいかも……。」
春は「決まりな。」と言うと僕が食べかけていた朝食のおかずをとって食べた。
「私、勇希雄が琴高の制服着てるの見たこと無いなぁ!」
「俺達も見たこと無いよな。勇希雄、似合ってたら3人で拝んでやる(笑)だから頑張れよ。」
「…拝まれるのは、遠慮しようかな。」