第2章 単品ディスライク
「おおぅ…!なら良かった!!このアプリダウンロードしてくんね?」
山吹のスマホにはあるアプリが映し出されていた。
そう。
《little police》
「あ…それ…か。い、今スゴく人気みたいだね…。」
結局、こいつも自分のメリットのためか…。
俺はショックを隠しきれず、目を落とし肩を竦める。
「お前これ登録してなさそうじゃんか。だから登録してほしいんだよな!誘ったユーザー限定でスペシャルミッションが…」
「わかった。…ダウンロードするよ!」
これは一生に一度のチャンスかもしれない。ここで断れば俺にはもうきっと友達という友達ができない。
ならばこの微かな希望に賭けたほうが、自分のためになる。
「ホントか!?よかったぁー!!これでお前も俺らの仲間だな!ミッションの事でなんかあったら、教えあおうぜ♪」
…仲間?
今、俺らの仲間って言った…?
「一緒に、ゲームしていいんですか!?」
初めて出したと言っていいほど、大きな声で山吹に確かめた。
「え?あぁ、一緒にしようぜ?人数多い方が有利だし。誰かのページに繋いで、パワー送ったり…」
俺はやっぱり神様に見捨てられてなんかなかった。神はこんなにも遠回しに幸福を与えてくれるのか…!!
ヒヤヒヤしましたよ、もう!!次からはガツガツ来て下さい!
「あ、ルールとか使い方分かるか?まずはユーザー情報を入れるんだけど…」
「山吹くん!!」
山吹の説明の途中だが俺は言いたいことがあった。
「山吹くん…。
抱きついてもいい?」
その瞬間、山吹は渋い顔をした。