第7章 一塁メモリーズ
「葬式で会った…。思い出したか?」
「ぅ…あ…。おもい…出せま…せ、ん…
…ぅグっ!!」
涙でグチャグチャになった顔を整えながら、返事をする俺の腹を思い切り蹴飛ばしてきた。
「ヒクヒク泣きやがって気持ち悪ぃ。俺が言いてぇのはそんな事じゃねぇんだよ。
お前さぁ…
ゲームとか…する?」
「…は?そんなの聞いてどうするんだよ…!!姉ちゃんを返せ!!」
今度は左の頬を殴られた。
倒れ込む俺の前でしゃがみ、頬杖をついて話を続けた。
「そのおねーちゃんの謎を知るために聞いてやってんの。分かるか?クソガキ。」
俺は息が荒く会話もままならない状態だった。
会話の途絶えた俺の頭に足を置き、グリグリと押し付けてくる。彼はおそらく笑っている。鼻で笑ったような声が聞こえた。
「帰ったら携帯でアプリをとれ。それにヒントが隠されている……かも。知りたきゃダウンロードするんだな。
名前は…
《little police》
だ。」
そう言い残すと、そのまま立ち去ってしまった。
なぜこんな人と出会ってしまったのか。
偶然にも程がある。
父さんにも謝れていないのに。
…あれ?今、何を考えていたんだ?
立ち上がる事が出来ない。身も心もズタボロの俺は、彼の言葉を聞き終えた後直ぐに気を失ってしまった。
そこからのことは覚えていない。