第8章 7 Connettersi~繋がり~
『寒いだろ? エアコン入れるから待ってな』
「すみません」
静雄を俺の部屋に通した俺は部屋が寒かったので暖房の電源を入れた。
そうすぐに温まらねぇけどしないよりはマシだろう。
俺は背凭れとしてベッドに背中を預けたので、静雄もその近くに座った。
どうしたんだろう。
さっきから静雄の元気が無い。
細かく言うと靴箱で会った時からだけど、何かを抱えてるような気がした。
『どうしたんだ? 俺に相談か?』
「あ…その…」
静雄は相談したい事がある時はよく俺の部屋に来るから、今日もそうなのかと思って俺の方から尋ねた。
だが静雄は床に視線を向けたまま黙っている。
他の理由があるのかと思って考えていたたが、チラッと静雄の顔を見た瞬間俺は言葉を失った。
頬に伝う一筋の滴。
二つ三つと溢れるそれは静雄の涙だった。
『し、静雄!? どうし…』
「俺じゃっ、ダメですか…」
どうした、と言おうとした俺の言葉を遮った静雄は震える声で懸命に俺にそう言った。
「俺、ずっと…徹さんが好きです」