第2章 Riunione~再会~
「…その…年上、だったんだな」
『あ、おう 五年だ』
「そっか…俺は三年だ」
『らしいな』
「……」
…会話が続かねぇ。
もっと色々考えてから行動に移せば良かった…。
「…怖いか」
『は?』
「俺が怖いか…まぁ、そうだよな」
俺が沈黙しているのは怖がっているからだと誤解しているようだ。
『怖くねぇよ』
「、…ウソだ」
『ウソじゃねぇ』
「だって…あんな…」
静雄がチラッと視線を向けたのは、さっき自分が投げたベンチだった。
金属の部分は折れ曲がってて木製のところは木端微塵で…まぁ要するに見るも無残な姿だ。
だけど怖いって思わなかったのは事実だからそれ以外言いようがないだろ。
『…静雄ってさ、何でケンカしてんだ?』
「っ、」
『ケンカしなかったら力を発揮することもないだろ?
思いっきり力を解放したい…ってやつか?』
「俺は暴力が嫌いだ!!」
静雄は精一杯の否定の表現として叫んだ。
怖かったワケじゃねぇけど…正直ビックリした。
「だけどアイツらが…俺だってッ」
悔しそうに歯を食いしばった静雄の頬に一筋の涙が伝った。
あぁ…そっか。
やっとわかった。
力をコントロール出来ねぇから滅茶苦茶にしちまうんだよな。
さっきみたいな連中のせいで怒ってしまうんだよな。
本当は…悔しいんだよな。
何でだろう…話したのはたった二度目なのに、
手に取るように静雄の気持ちがわかる。
だからかな?
放っておけない…って思った。