第1章 affettuoso(アフェットゥオーゾ)
ゆっくりと舌を絡め、そのまま君を押し倒す。
「さっき…あそこで止めるの、凄いキツかったんだよ?」
悪戯に微笑み掛けて、クシャッと君の髪を撫でる。
触れると止められなくなるんだ。
どんどん熱が上がって。
一度君の体温を覚えてしまったこの手は、もっともっとと欲張りになったから。
「なのにどうして?」
「えっと…これ」
ポケットに隠したゴムを取り出して君に見せると。
「これは…その…」
「多分、正解」
真っ赤になって困ってる君が可愛くて。
またクスリと笑って、それを枕元に置いた。
「君を守るって、大事にするって、約束したじゃん、俺」
きっと、これは大事にするって事で、守るって事なんだと思う。
痛いのも怖いのも代わってあげられないけど。
君の背負うリスクを減らしてあげる事なら出来るから。
いや、俺にはそれしか出来ないから。
だからそれをしないままで抱いちゃうのは、やっぱ違うかなって思ったんだ。
「…嬉しいです。大好き」
照れくさそうに笑った君は、そう言って俺にぎゅって抱きついた。
「じゃあ…続きしてもいいよな?」
って、YESを促すようなズルイ訊き方をした俺に。
「なんか…ズルイ」
笑う君のその唇にまたキスをした。