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薄桜鬼 短編集

第4章 さよなら、そしていつかまた 沖田総司


「おい…総司起きろ、新学期早々サボるつもりか。」

「んー…。だって土方さんの話長いんだもん…サボる。」

「ダメだ、早く来い。」

「めんどくさいなぁ…。」

春、桜が舞い散る中を僕は一君の後ろをついていく。
僕は今高校生。そう、なんの因縁なのか、あの時死んだはずの僕は、転生してこの世に舞い戻ってきていた。
僕だけじゃない、新選組のほとんどは転生していた。前世の記憶を持ち合わせて。

ふぁ…。と、欠伸をして。ふと、大きな桜の木が目に入る。
とても、立派な大きな桜の木。
その木の下に人影が映る。

一君は先に行ってしまったようでいない。
だったらいいか、と思いそこに近寄る。


サァッ…。

風が吹き、桜の花びらが舞う。
髪をかきあげながら振り向いたのは、忘れもしない、懐かしい少女…。

「…沖田…さん?」

彼女だった。見間違える筈がない。それに、彼女も僕の名を答えた。

「…驚いたよ…久しぶりだね。」

「はい…何百年ぶり…ですね。」

変わらない笑顔だった。
僕の大好きな…あの、笑顔。

「…君も、転生を…?」

「はい…死んでも死にきれませんでした…沖田さんに、伝えないといけないことがあって…。」

「僕に…?」
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