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薄桜鬼 短編集

第4章 さよなら、そしていつかまた 沖田総司


「…今…なん、て…?」

「さよならを…言いに来ました…。沖田さん。」





新選組と言ったら、京では有名な人斬り集団。
そんな僕、沖田総司が身を寄せるのがその新選組。

そんな僕には、大切な人がいた。

町で出会った普通の女の子。
浪士に絡まれてるところを助けてあげたのがきっかけだったんだ。




「あ、あの…助けてくださって、ありがとうございます!」

「うん、見たところ怪我は無いみたいだし、良かったよ。じゃあ、僕は行くね。」

そう、去ろうとしたんだけど、君は僕を引き止めたね。

「あ…あの…。」

「なぁに?まだ何か用なの?」

「おっ…お礼を、させて下さい!」


この時、僕は少し…いや、かなり驚いたよ。
僕らがやってることはみんなには知られてるから。なのに、君って子はそんなこと知ってか知らずか、お礼がしたいだなんて。

「…ふ、ふはっ!…君、僕のこと怖くないの?僕は新選組なんだよ?」

「し、知ってます!だけど、助けていただいたのにお礼をしないなんて、それこそ恩知らずもいいとこだと思います。」

この時の真っ直ぐに向けられる君の瞳に僕は、

「…うん、じゃあ金平糖が欲しいなぁ、僕。」

なんて、口走ってた。
でも君は、

「はい!」

って、とてもいい返事をしてくれて。
その時の笑顔が離れなくなっていったんだ。
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