第1章 最後の手紙~The Last Letter~ 原田左之助
“じゃあね、左之…また明日。"
手を振り去っていく、一人の女生徒。
まさか、あの言葉が元気な声で聞ける最後になるとはあの時の俺は思ってもいなかった…。
翌日、俺はいつもどおり学校に来た。
いつもと同じように授業をし、何事もなくまた今日が終わる。
そう願いながら午後の授業に向かう、そんな時だった。
「お、おい左之!」
「ん?どうした新八、そんな慌てて。」
職員室に慌ただしく入ってきたのは、俺と同期の永倉新八。
「これが慌てずにいられるかってんだ!」
「状況が分からねぇよ…いいから落ち着いて話せよ、何があった?」
新八は、俺の肩を掴み、耳打ちをする。
“夏野朔が事故にあって、今救急車で運ばれた…意識不明の重体だそうだ…。"