第3章 先輩と後輩のちに…? 不知火匡
いつも遠くで見てるだけだった。
学年も部活も委員会も何もかもが違ったけれど、そんな貴方を私はいつの間にか気になっていたんだ。
「朔ー!これ教えてくれよー。」
「平助…。あんた自力で解くこと出来ないの…。」
「分かんねぇもんは分かんねぇ!」
「はぁ…。」
夏野朔、薄桜学園の二年生。
私の席の前で問題集を見せてくるのは同じく二年生の藤堂平助。
ちなみに今は朝のHR前。
私は、ふと窓の外を眺める。
今日もあの人あそこに居る…サボリなのかな。
不知火匡先輩。三年の先輩だ。
生徒会に所属してるんだけど、今の生徒会の会長さん、何年も留年して生徒会長してるみたい。
なんでなのか平助に聞いてみたら、何でも自分の嫁探しの為で、お付きの不知火先輩達も一緒に高校生活をやり直してるみたい。
夏に転校してきたばかりの私は、驚くばかりだった。