第15章 2回目の観覧車
遊園地デート当日。
遊園地のゲートをくぐる。
懐かしい。
この辺の子なら一度は子供のとき連れてきてもらった。
幼稚園や小学校の遠足で来た。
田舎町の動物園兼遊園地。
目新しい乗り物や動物がいるわけじゃないけど、田舎だからとにかく広くて…
「何に乗りましょうか。それとも何か見たい動物はいますか?」
雅樹くんがゲートでもらったMAPを広げながら、私に尋ねる。
「あっち」
私はパークの中心にそびえ立つ観覧車を指差す。
「あっち? 観覧車の方角ですか?」
彼がMAPで観覧車の位置を確認する。
「あっちに乗り物がいっぱいあるんだよ! 行こ!」
私は彼の腕を取って駆け出す。
「ちょっ…! 最初からそんなにはしゃぐとバテますよ! ここ広いんだから…」
「大丈夫!」
私は彼の顔を見て返事する。
彼は、しょうがないなって顔して一緒に走る。
…
夕方。
今日、2回目の観覧車に私たちは乗ってる。
一番最初と一番最後に観覧車に乗るのが私のオススメの遊園地の楽しみ方だって言ったら、彼は笑ってた。
でも賛成してくれた。
観覧車が登りだす。
窓の外をのぞく。
下の景色が小さくなり始めると、私はなんだか納得した気持ちになる。
「ふぅ」
隣に座ってる彼に、ちょっともたれる。