第15章 2回目の観覧車
3学期、最後の日。終業式が終わった後。
雅樹くんと私はハンバーガー屋さんでお昼を食べる。
「見て見て。結構良かったよ、成績表。数学が上がったし、英語も持ち直したし」
私は誇らしげな気持ちで彼に成績表を見せる。
なんだかお父さんに見せるときみたい。
「本当だ、すごい。優子さん頑張ってましたからね」
彼がニッコリ微笑む。
「ご褒美は?」
「えっ」
「頑張ったご褒美…くれるのかなぁ?」
私は彼の顔をじっと見つめてみる。
一瞬で彼の顔が赤くなる。
相変わらず、こういう場所でのこういうのに弱い。
可愛い。好き。
「ゆ…遊園地、行きませんか?」
ちょっとキョドリながら、彼が提案する。
意外な提案。
思わず聞き返す。
「遊園地?」
「はい。実は今まで優子さんはそういう子供っぽい場所はあまり好きではないんじゃないかと思っていたんですけど、案外そうではないのかな、なんて最近思って」
「え? 最近? 気付くの遅いよ。雅樹くん」
私は笑う。彼も。
「実は…」
彼が少し恥ずかしそうにつぶやく。
「うん?」
「僕も遊園地が好きっていうか、行ってみたいなぁって…」
「全然、気付かなかった!」
私は驚く。